作画風景2
惡人・加藤段蔵
弁天姉妹・お七

作画風景2(弁天姉妹乱入)
弁天姉妹・下書き 『惡忍−加藤段蔵無頼伝』コミックス2の巻を読まれた方はお分かりでしょうが弁天姉妹の乱入シーンです。
これは人物の下書きをすませて、すでにスタッフに冠や琵琶の下書もをしてもらっています。

このページにもフキダシは入るのですが、なるべく絵を見せたかったのでフキダシは後で半透明になるようにしようと思い書き込んでいません。

前のページからの流れで足を露(あらわ)にしたかったので着物の裾を捲し上げるのにかなり苦労しました。かんたんに巻くし上がる着物のデザインにはならなかったものですから・・・
弁天姉妹・ペン入れ 例のごとく
スタッフに冠と琵琶、それに床のスピード線を先にぺん入れしてもらいました。
弁天姉妹・ペン画 人物のペン入れを終えたところです。
上に描いたように無理やり裾を捲し上げたので、かなり着物が複雑な流れになってしまい自分で描いた下書きですが描きながら何処がどうなっているのか判らなくなったりしました。

下書きしてすぐにペン入れに入れれば細かい所の線も何を書いているのか忘れずに済むのですがなかなかそうも行かずペン入れで苦労します。
下書きの時に「ここはこうしよう!」と思っていた事もすっかり忘れてしまう事もしばしばで「あ、こうする予定じゃなかったんだ」と後で気づく事もあります。

そういう時は修正が大変なのですが、この絵はあまりにも複雑だったせいか部分部分「ここがこうなって、こっちの紐がこう来て・・・」としっかり考えざるをえなかったのでなんとか修正せずにすんだようです。

また、この話の後半に出てくる立ちポーズで着物の裾がもう少し長い方がいいという事に気づき、この絵でもペンを入れながら下書きよりも多少裾を長く見えるよう変えています。
付けペン 付けペン

Gペン カブラペン
日本字ペン
前回、最近日本字ペンなるものを使い出したと書いたのでちょっと普段使っているペンを写真に撮ってみました。

上の段左の写真
左から、日本字ペン、カブラペン。Gペンです。上の段右はその裏側、下3つはそれぞれを横から見た所ですが順番が違ってしまいました。中段左がGペン、右がカブラペン、下が日本字ぺんです。

Gぺんは中央の他に両サイドにも切れ目が入っておりかなり弾力があり線の強弱がつけやすいペンです。
カブラペンは切れ目が中央にしかはいっておらず形が球面状(スプーン状)ですのでかなりしっかりとした硬いペンです。
日本字ペンは切れ目は中央にひとつですが
球面状にはなっていないためそれほど硬くありません。

形状の通りそれぞれ書き味はかなり違います。Gペンは背が先端まで一直線です。カブラペンは背が球面ですので先端はほんの少しだけ反り上がっています。日本字ペンは波を打ったような背をしていて先端はかなり反り上がっています。

実際の書き味は説明の仕様がないので創造してもらうしかありませんが・・・
弁天姉妹・スクリーントーン スクリーントーンを貼ったところです。
スクリーントーンはほとんどの場合スタッフに貼るって貰うのですが、これだけ部分部分で種類の違うトーンを貼ると指定するだけでも大変であり、また、見合ったトーンを探し出すのも苦労します。

これらの柄トーンは普段あまり使わないのでこの時はスタッフといっしょに画材屋さんに出向き。あれやこれや時間をかけ探しました。

指定する場合普通は原稿に水色の色鉛筆で部分部分塗りつぶしてトーン番号を振っていったりするのですが項目が多すぎると書き込みきれなくなってしまいますので口頭で説明して理解してもらったりもします。幸い現在手伝っていただいているO氏はこちらの気持ちを汲んで理解してもらえるので非常にに助かっています。
弁天姉妹・スクリーントーン フキダシであまり絵を殺したくなかったので最後にフキダシを描き、その部分の絵が薄くなるようホワイトのスクリーントーンを貼りました。

左下にもフキダシが入るの予定だったのですがせっかく見せている足が隠れてしまうのでその部分は文字だけを乗せてもらう事にしました。

最後に足の向こう(奥)に見える着物の内側が陰になるようにトーンを加えました。
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