ラグビー界のスーパースターだった室伏周平だが、時は経ち、仕事が出来ず上司に罵られ全くうだつの上がらない40歳の証券マンとなっていた。図体ばかりでかく人生の悲哀をすべてその肩に背負うかのような疲れきった貧相の男になりさがっていた。
女子社員にもあざ笑われ、家族にさえも邪険にされ、髪は抜け落ちてかつらが手放せない。追い討ちをかけるように左遷されたある日、それでも室伏は左遷先へと必死で向かうのだが・・・
無常にも空港の金属探知機は室伏のかつらの金具に反応する、無常にも40歳の室伏はそこで突然胸に激痛を走らせ倒れて死ぬ・・・家族の行く末だけを案じながら・・・
・・・だが、死んだはずの室伏には記憶があり、目覚めるはずのない目を覚ます・・・そこは確かに見覚えのある一室だった、だが遥か昔、18年も前の記憶の中の一室だった・・・己の体はその頃の、ラグビー界のスーパースターとして君臨したままの隆々とした肢体をまとっていた・・・
・・・敗者復活起死回生の痛快作! |
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